社会的ニーズの高まり
出生率の低下と長寿社会といった社会構造によって少子高齢社会となってきています。年齢65歳以上が7%に達すると「高齢化社会」と言われ、14%に達すると「高齢社会」と定義されていますが、日本ではわずか24年間の間に「高齢化社会」から「高齢社会」へと変貌を遂げてしまいました。
介護福祉事業は都道府県知事(政令指定都市では市長)の指定を受けて事業運営を行うこととなりますが、大切なのは「髙い職業倫理の保持」と「勤務体制の適切な管理」と考えております。
介護福祉事業そのものは営利によって事業が成り立つものでありますが、公共の福祉の充実といった崇高な社会貢献の側面を担っている事業でもあるのです。
許可要件の概要
事業者指定については、札幌市に事業所がある場合は札幌市長の指定となり、その他については、管轄する振興局に申請をすることになり知事の指定となります。
介護福祉事業者の指定については、それぞれの事業によって指定要件は異なりますが、概ね次の要件が必要となります。
(1)人的要件
・管理者
どの事業にも必ず管理者が必要となります。
管理者に必要な資格要件はありませんし、兼務も可能となってます。
・サービス提供責任者、サービス提供管理者、児童発達支援管理者など事業の中心となって実質的な管理運用をしていく立場となります。
資格要件は事業によって違いますので、その事業で要求されている資格者でなければなりません。
(さらに実務経験を満たさなくてはならない場合もあります)
・従業者
通常はヘルパーの資格を持っていれば従事することがてぎる事業が多いのですが放課後等デイサービスは資格がなくても従事できますし、また行動援護などは資格の他に実務経験2年が必要な場合もあります。
従業者数については、常勤換算数を満たしていることが要件となっている事業が多いですが、放課後等デイサービスは常勤換算ではなく、提供時間帯の全てで常に2名以上の従業者の配置を求めている事業もあります。
(2)施設要件
それぞれの事業において必要な施設要件を満たしていることが必要となります。
特に通所・入所系の事業は施設基準が厳しくなっており、消防用設備の設置が必要となってくる場合もあります。
(事業所の延床面積にも注意が必要となります)
(3)運営体制
介護福祉事業はビジネスではあるものの、サービスを利用する方への配慮や危機管理体制が重要です。
(社会貢献が基本理念)
運営規程や緊急時の対応策など、しっかりとした運営体制の確保が要求されています。また介護保険(公金)の支給を受けるわけですから、自治体と同じような遵法精神と厳格な業務運営が要求されることとなります。